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林 明子さんの世界

   

「はじめてのおつかい」「おつきさまこんばんは」「こんとあき」など、長く読み継がれる作品を描いてこられた絵本作家・林明子さん。ひかり幼稚園の玄関ホールには、林さんのシルクスクリーン画が2枚飾られています。体温や息づかいまで感じさせるような、いきいきとした子どもの姿には、足を止めて見入ってしまう不思議な魅力があります。

この度、林明子さん50年のあゆみを記した「子どもを描く」~林明子の世界~という書籍が出版されました。本書の中で林さんは、子どもに「たかいたかい」をしてあげる大人の姿を例に挙げながら、絵本づくりへの思いを綴っています。腕が痛くなっても、子どもが笑いながら「もっと!」と言ってくると、また持ち上げたくなる―。そして、自分が苦労して作った絵本を子どもに読んだあと、「もっと!」と言われた時に、本当に幸せな気持ちになる、と。

 その言葉を読みながら、子育てや保育も同じなのかもしれないなぁと思いました。きっと保護者の皆さまも、朝の支度に追われたり、何度言っても片づけをしてくれなかったり、時には心に余裕がなくなってしまうこともあるでしょう。私たち保育者もまた、一人ひとりの育ちに向き合いながら、試行錯誤の連続です。それでも、ふとした瞬間に見せる子どもの笑顔や幸せそうな寝顔、「できた!」と嬉しそうにする表情、安心したように寄り添ってくる姿に触れると、不思議と気持ちがやすらぎ、「また頑張ろう」という気分になります。子どもたちは、知らず知らずのうちに、大人の心を動かせ、救ってくれているのかもしれません。子どもを育てるということは、大変さの中に、何ものにも代えがたい幸せが隠れている営みなのだと、林さんの言葉を通して改めて感じたものでした。

 さて6月。新入園児も幼稚園生活にすっかり慣れて、一学期の中でも最も落ち着いた雰囲気で保育ができる時期となります。また、友だち関係が育ってきて、クラスのまとまりが出てくる時期でもあります。困っている相手を助けたり、自分が何かしたことで相手が喜んでくれた嬉しさを感じるなどの体験を通して、それぞれが共感し合える仲間思いの集団が形成できるよう努めてまいります。

園長 深沢 亮

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